妊娠して、出産するという過程の中で、女性の体は大きく変化していきます。
そして、大きくなったお腹は、子どもが生まれたからといって、すぐにしゅるしゅるとしぼんでくれるわけではありません。
お腹が大きくなっていくときは、赤ちゃんの成長にともなって、皮膚や筋肉が少しずつ少しずつ伸びていきます。
でも、伸びてしまった部分は、出産したからといってあっという間に元通りになるわけではありません。
お腹はしぼみますが、伸びた皮膚はその分余り、たるんでシワシワになってしまうものです。
一度ふくらませた風船は、空気を抜いても元にはもどりませんよね。
びよんと伸びてしまいます。
体も同じなのです。
しばらくたっても、皮のたるみがたぷたぷと目立ってしまったり、お腹がぽっこり出てしまったりということもあります。
また、ウエストサイズがなかなか戻らず、産前にははいていたパンツやスカートが入らない、というケースもよくあります。
産後のお腹、一体どうすれば一日も早く元に戻すことができるのでしょうか。
今回は、産後のたるんだお腹への対策について考えてみたいと思います。
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産後ママのお腹まわりを無理なくひきしめる方法3選
開いた骨盤をしめる
産後、お腹のたるみが気になるとき、原因のひとつとして考えられるのが「骨盤」です。
女性の体は、妊娠して子宮が大きくなるにつれて、骨盤が広がっていきます。
これは赤ちゃんを守るためにも必要な変化なのですが、出産したからといって、すぐに骨盤が戻るわけではありません。
戻るには時間がかかりますし、ある程度のサポートをしてあげないと、きちんと正しい位置にもどらない場合もあります。
また、妊娠によって骨盤は開くだけでなく、出産が間近になってくると、子宮とともに位置が下がるのです。
そして、出産後、骨盤が下がったままになっていると、子宮が小さくなるにつれて骨盤がしまっても、「お腹ぽっこり」が解消されません。
子宮や骨盤と一緒に、内臓まで下に下がってしまったり、お腹まわりにお肉がつきやすい状態になってしまったりするからです。
そこで、産後はまず、骨盤を元の位置に戻し、しめるためにできることをやっていきましょう。
出産直後は「骨盤ベルト」でサポート
そうはいっても、産後すぐの時期は、ママの体をいたわるための大事な時期。
体型が気になるかもしれませんが、無理なエクササイズや食事制限などはやめておきましょう。
でも、産後すぐに始められる骨盤ケアもあります。
それが「骨盤ベルト」です。
骨盤ベルトは、出産によって開いてしまった骨盤を正しい位置に戻し、きちんとしまるように手助けしてくれます。
素材や装着法など、いろいろな種類があるので、出産前に自分にあったものを見繕っておくのがおすすめ。
ものによってはかぶれが出たり、体にフィットしなくて動きづらかったりすることもあります。
価格なども見比べて、可能であればいくつかタイプ別に用意しておくと困りません。
また、体型が気になるからといって、出産直後からグイグイときつくしめすぎてしまうと、尿もれの原因になったり、ひどい場合は子宮が体外に出てしまう「子宮脱」の原因になることも。
ウエスト部分をしめつけるのではなく、骨盤を支えてくれるタイプのものを上手に選びましょう。
また出産直後は、体に負担をかけすぎないように注意して装着してください。
肌ケアも欠かさずに
もうひとつ、産後ママが自分のお腹まわりを見て気になることといえば、伸びてダルダルになってしまった皮膚です。
一度伸びてしまった皮膚は戻りにくいと言われますが、絶対に戻らないわけではありません。
お手入れ次第で、改善される可能性は大いにあります。
では、どうすればいいのか。
皮膚とは要するにお肌なわけですから、お肌が生まれ変わるために最適なことを、お腹の皮膚にも施してあげましょう。
保湿してあげること。
そして、マッサージで血行を良くしてあげること。
この二点が大事になります。
これによって、伸びてしまったお腹の皮膚が少しでも早く生まれ変わることができるように、助けてあげるのです。
体には負担にならないケアですから、産後すぐから始められます。
保湿クリーム+血行促進マッサージでお肌を労ろう
この肌ケアに必要なものは、保湿クリームだけです。
ただ、産後はいつもよりお肌が敏感になることがあり、刺激が強いものを使ってしまうと、湿疹が出たり、かぶれたりする場合もあります。
おすすめなのは、妊娠線予防に使えるクリームです。
お肌に優しく、刺激の少ない成分が使われていることが多いので、産前に使用されていた人は、産後にも同じように使用することができます。
たっぷりと保湿クリームを手にとり、お腹の皮膚のたるみが気になる部分に手をおいて、その部分をあたためていくようなイメージで、ゆっくりやさしくマッサージしましょう。
強くこすったり、グイグイ力を入れたりしてしまうと、かえって皮膚に負担になります。
たるんだ皮膚を早く何とかしたいと焦る気持ちもあるかもしれません。
でも、40週かけて伸びた皮膚が、すぐに元に戻るわけもないのです。
気長に、根気強く、一歩一歩、ケアすることが何よりも大切です。
長い間、頑張ったね。お疲れ様。
そんなふうに、自分の体を労るような気持ちで、やさしくマッサージしてあげてください。
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エクササイズは疲れた体が癒やされてから
産後すぐの体に着慣れない骨盤ベルトを締め続けたり、初めての子育てにてんやわんやしている合間をぬってお腹のマッサージをしたりすることは、実は簡単なことではありません。
本調子でない体で、慣れない赤ちゃんの世話をしながら、自分の体のこともそうやって労ってあげることができたら、出産直後のママとしては満点です。
お腹を引き締めるためのエクササイズや、骨盤の位置を戻ししめるために効果的な骨盤体操などは、体調も戻り、悪露も減って、赤ちゃんとの暮らしにも少しずつ慣れた頃からはじめても、決して遅くはないのです。
授乳中にできる腹筋エクササイズ
もっとも、体調がよくなってきたからといって、すぐに激しいエクササイズを始めるのはよくありません。
まずは、負担のないことからはじめてみましょう。
たとえば、授乳中、猫背になってしまっていませんか。
こうした姿勢の悪さが、血行を悪くしたり、お腹部分をぽっこりさせたりする原因になります。
そこで授乳中にできるエクササイズをやってみましょう。
①背すじを伸ばして座ります。
②おヘソを意識して、ぐっと力を入れ、お腹をへこませます。
③そのままキープして30秒。
これを、授乳中に何度も繰り返しましょう。
これだけでも軽い腹筋運動になり、血行も促進されるうえ、お腹周りの引き締め効果も期待できます。
骨盤体操
次に、おすすめするのが骨盤体操です。
ネットなどで検索すれば、骨盤体操のやり方はいくつも出てきます。
Youtubeで検索すれば動画でやり方がわかるので、間違いがなくおすすめです。
ここでも、オーソドックスな骨盤体操のやり方をひとつご紹介しておきましょう。
①仰向けに寝て、両手を大きく広げます。
②両足をぴたりとくっつけた状態で、膝を軽く曲げ、たてます。
③両足をくっつけたまま、かかとの位置を動かさないようにしながら、膝を倒すようにして、下半身ゆっくりと右にまわします。このとき、上半身は動かさないように注意します。
④次に、同じようにして、左にまわします。
⑤体に無理がない程度に、繰り返しましょう。
寝ながらできる骨盤体操なので、赤ちゃんが寝ている間に、添い寝しながら、無理なくできておすすめです。
できることから、少しずつはじめるのが一番いい
以上、産後ママのお腹まわりのお悩みについての解決策をご紹介しました。
もっとも、今回ご紹介したのは、産後ママの体型をもとに戻すための、土台づくりをするための方法といってもいいでしょう。
体は疲れていても、赤ちゃんのお世話は大変でも、自分の体型のこともまた気になって何かしたくなるのが女性というものですよね。
でも、産後というのは無理がきかない、というより無理してはいけない時期です。
ですから今回は、十分な体力と気力を取り戻してから、本格的に骨盤矯正や体型改善のエクササイズをはじめられるための準備をしておくための方法をご紹介しました。
ひきしまったウエストも、たるみのないお肌も、ママの頑張り次第で取り戻すことは可能です。
できることから、少しずつ、はじめていきましょう。
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